セッション数から読み解くユーザーとの「接触の質」
デジタル広告は、リーチを大きく取りやすい一方で、情報量の多い環境では「見たはずなのに思い出せない」ことが起きやすいメディアでもあります。
広告においては、単に届けるだけでなく、必要な回数で、無理のない形で接触を重ね、想起・理解を積み上げることが重要になります。
第1回・第2回では、既存プランにメルカリAdsを加えたときに生まれるインクリメンタルリーチ(純増リーチ)を軸に解説しました。
第3回はその先として、「どれだけ多くの人に届くか」だけではなく、“届いたあとに、どのくらい自然に思い出してもらえるか”という観点で、メルカリAdsの特性を整理します。
1. 広告の成果を左右するのは「接触回数を設計できるか」
広告、特にブランド広告は、短期で答えが出る施策ばかりではありません。だからこそ、重要なのは次の2点です。
- 生活者の記憶に残るために、必要な回数で接触できること
- ただし、押しつけにならないよう、過度な接触は避けられること
言い換えると、ブランド広告は「リーチ」だけでなく、フリークエンシー(接触回数)をどう設計できるかが効いてきます。
2. 月間平均17.9回のセッションは、“接触の機会”が多いことを示す
接触設計を考えるうえで起点になるのが、1人あたりのセッション数(1ヶ月に何回アプリを開くか)です。
これはそのまま、広告が表示されうる“機会”の多さにつながります。
Nielsenデータに基づく推計では、メルカリの1ヶ月あたり平均セッション数は 17.9回。比較として、大手ECモールA社 14.0回、SNS C社(動画系)8.6回という数値が示されています。
月間1人あたりセッション回数

メルカリ:17.9回/月
大手ECモール A社:14.0回/月
SNS C社(動画系):8.6回/月
出典:Nielsen Mobile NetView 2025年9月, スマートフォンからのアクセス(アプリの利用を含む)
本資料の数値/グラフはニールセン デジタル株式会社(Nielsen)の集計レポートに基づきます。© 2025 Nielsen Digital Co., Ltd. 同社は当該情報の著作権者であり、すべての権利を留保します。
このデータが示唆するのは、メルカリが「用事があるときだけ開く場所」ではなく、日常の中で何度も戻ってくる接点になっている、という点です。
3. “高頻度”の価値は回数そのものではなく「無理なく思い出される」こと
ここで強調しておきたいのは、フリークエンシーは高ければ高いほど良い、という話ではありません。ブランド広告においては特に、接触が過剰になると、ブランドの印象形成にマイナスになり得ます。
メルカリのようにセッションが多い接点で価値になりやすいのは、むしろ逆で、見せすぎないようにフリークエンシーキャップを調整しながら、必要な回数の接触を確保し“思い出してもらう確率”を上げるという、無理のない接触設計がしやすい点です。
4. 広告主にとっての実務メリット
ここからは、ブランド広告の実務に引きつけて、セッションの多さが広告の運用・設計にどう効きうるかを整理します。
① 想起が“1回勝負”になりにくい
日常的に開かれる環境では、接触が単発になりにくく、適切な上限の中で複数回の接触を設計しやすい側面があります。
そのため、ブランド広告においても「見た瞬間だけ」で終わらず、適切な回数で思い出してもらえる確率を高めやすくなります。
② 理解の積み上げ(同じメッセージの反復ではなく、段階を踏める)
ブランド広告では、「名前を知ってもらう」だけでなく「何のブランドか」「なぜ選ぶのか」まで伝える必要があります。
セッションが多い環境では、同じクリエイティブの繰り返しではなく、認知→理解→検討のように段階を踏んだ見せ方(メッセージ設計)を取り入れやすくなります。
③ “生活の中の接点”としてブランドを置ける
ブランドは、接触回数だけでなく「どんなシーンで出会うか」も重要です。
マーケットプレイスは、生活者が“探す・比較する”行動の中で開かれる場でもあるため、ブランドが生活文脈の中で想起されるきっかけを作りやすい、という考え方ができます。
まとめ:純増で「広げる」+ 接触設計で「思い出される確率」を上げる
メルカリAdsは、第1回・第2回で扱ったように、既存出稿先に対して純増(インクリメンタル)をつくる観点で有効です。
リーチを広げたあとに必要になるのは、「どう伝えるか」「どう思い出してもらうか」。
Nielsenデータに基づく推計として、月間平均17.9回のセッションが示唆するように、メルカリAdsにはその設計の余地があることを第3回のコラムのテーマとしました。
ブランド広告は「届く」だけでは完結しません。適切な回数で、無理なく接触し、想起と理解を積み上げる——その設計余地があることが、メルカリAdsの価値のひとつだと考えています。
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